TRNSYSで冷房設定
TRNSYSの多数室モデルで冷房をスケジュールで設定する方法のご紹介です。
多数室モデル(Type56/TRNBuild)ではCooling typeを使って冷房の設定を行います。時間帯によって冷房のOn/Offの制御はScheduleと組み合わせて設定します。
設定例
以下の条件で冷房を設定します。
- 冷房時間 09:00~15:00
- 設定温度 28℃
Schedule
まずは冷房On/Offのスケジュールが必要です。新しいScheduleを追加してOn/Off状態を定義します。
On:1、Off:0 として、09:00~15:00のスケジュールを定義します。(下図)
Cooling Type
次にCooling typeを追加して、条件を設定します。
- set temperature、これは条件に従って28℃へ設定します。
- Sensible cooling power / limited を選択して、いま作成したScheduleを指定します。
- Cooling Power(冷房能力)とScheduleを組み合わせて冷房のOn/Off状態を作り出します。
最後の式の部分ですが、Cooling Powerはこの例では無制限に投入したいので、大き目の値を指定しています。(kJ/hだと分かりに難いので換算したら約 27.78 MWでした。ちょっと大きすぎですが、まあいいでしょう)
余談ですが、冷房能力の上限を設定して計算する場合は、機器の性能に合せてCooling Powerを設定してください。
このCooling Power×Scheduleで時間ごとの冷房On/Offが設定できます。
Zoneへの割当て
最後は作成したCooling typeを対象のZoneへ設定します。
対象のZoneを選んで、Coolingに今作成したCooling typeを割当てたら完了です。
まとめ
Schedule、 Cooling type、Zoneへの割当の3ステップで冷房設定は完了です。暖房の場合も同様で、Cooling Typeの部分をHeating typeに読み替えてください。
また、冷房時の除湿が必要であれば、Cooling typeで除湿の設定を追加してください。詳しくはリンク先の記事を参照してください。
サンプルプロジェクト
今回使用したサンプルはこちらからダウンロードできます。中身は上記の除湿設定のサンプルと同じ内容です。合せて記事も参考にして頂けると分かりやすいと思います。
動作環境
以下の環境で動作を確認しています。
- Windows11 Pro(64bit, 23H2)
- TRNSYS18.06.0002(64bit)