TRNSYS MoistAirProperties(PSYCHROMETRICS,PSYCH)ユーティリティ・ルーチン

MoistAirProperties(PSYCHROMETRICS,PSYCH)は、TRNSYSに用意されている湿り空気を扱う関数群です。

コンポーネント内部の計算で使われるため、普段は直接目にすることはありませんが、多くの湿り空気を扱うコンポーネントで使用されています。

標準コンポーネントとしてはType 33 Psychrometricsなどがその代表例です。

この関数、Type33以外でもよく使われています。特にHVAC(空調関係)のコンポーネントではよく使われることが多いようです。

それらのコンポーネントでは、エラーやワーニングメッセージにPSYCHROMETRICSやMoistAirPropertiesという単語が登場することがあります。

たとえば、こんなエラーメッセージ。(いきなりPSYCHROMETRICSとか出てきても、なんことか分りませんよね?)

*** Fatal Error at time   :        59.000000
    Generated by Unit     :    21
    Generated by Type     :    33
    TRNSYS Message    118 : The subroutine SAT of the utility routine PSYCHROMETRICS, which calculates the thermodynamic properties of moist air, has been called with a temperature below absolute zero (-273 C).  Please check the TYPE routine which calls the psychrometrics routine for possible sources of errors.
    Reported information  : Error 118

湿り空気の熱力学的特性を計算するユーティリティ・ルーチン PSYCHROMETRICS のサブルーチン SAT が、絶対零度 (-273 C) 未満の温度で呼び出されました。 PSYCHROMETRICS ルーチンを呼び出す TYPE ルーチンにエラーの原因がないかチェックしてください。

この例では、Type33に対して、絶対零度以下の温度を条件として与えているようです。

空気温度の供給元のコンポーネントで誤った計算が発生している、指定をうっかり間違えているなど、さまざまな原因が考えられます。

例えば計算の誤差で相対湿度-0%(小数点以下のかなり下の方で誤差がある)が入力されているような事もあり得ます。

いずれにしても、ある特定の条件で発生していることが多いでエラーです。

エラーが発生した場合、そのコンポーネントの設定や供給元の出力、もしくはそれらの組み合わせが原因になっている可能性が非常に高いと考えられます。

まずは、それらの値を出力して、発生するタイミング(この例ではメッセージから59.000000hで発生していることが分ります)で何か関連した条件の変化があったことも想像されます。

例えば、空調や換気の条件の変化など、なにか原因は存在します。こういった場合は、一つ一つ確認してみてください。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。

  • Windows11 Pro(64bit, 23H2)
  • TRNSYS18.05.0001(64bit)
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