Zone/Airnodeからの排気設定
TRNSYSのTRNBuild/Type56に排気の設定はないので給気として読み替えます。と言うと何を言っているか分かり難いと思いますが。。。
TRNBuild/type56の換気設定
TRNBuild/Type56でどのように換気が扱われるかは設定方法によって変わります。
設定方法 | |
Infiltration Type | 外気からの給気 |
Ventilation Type | 外気からの給気、もしくは温度、湿度を指定した給気 |
Coupling | 隣接するZone/Airnodeからの給気 |
Couplingは給気側で設定しますが、供給側とのバランスは考慮しません。計算上は隣接するZone/Airnodeと同じ状態の空気がどこかから湧いてくるような扱いになっています。この点は注意が必要です。Couplingを設定する場合は相互の換気バランスを条件として調整する必要があります。
Couplingに限らず、いずれの設定でもType56の換気はZoneごとに(他のZoneことは気にせずに)、給気として扱われます。
じゃあ、給気で入ってきた分の排気はどこへ行ってしまうのかというと、計算上は外へ出て行ったものとして扱われます。つまり、給気だけ考えて設定すればいいわけです。
排気の設定
とは言え排気として扱いたい場合もあります。
Infiltration, Ventilation typeへ読み替え
例えば、小屋裏の強制排気。これは排気とはいえ排気分は外気からの給気です。このためInfiltration type、もしくはVentilation typeへ読み換えて設定できます。
Couplingへ読み替え
同じ排気でも給気が隣接するZoneからになることがあります。例えば、浴室やトイレの排気を考えてみてください。
浴室の排気を考えると、排気分は隣接する洗面所や脱衣所からの給気と考えることができます。
ということで浴室へ洗面所からのCouplingと読み換えて条件を設定します。これで浴室からの排気を設定したことになります。
ところが、これでは浴室へ空気を持っていかれた洗面所はどうなるかと言うと、どこからも給気されていないので辻褄が合わなくなります。そのため、その分についてはさらに隣の廊下からCouplingで、そして廊下はさらに。。。、と隣接するZoneでバランスを取って換気条件を設定することになります。
少々面倒ですが、関連するZoneすべてで給気排気のバランスを考えて設定する必要があります。
いっそTRNFlow(換気連成のオプション)を使いたくなりますが、それはそれで換気回路の設定が必要です。それに条件で換気量を検討できなくなります。条件を検討する目的では使えません。
まとめ
排気は次の点に注意して設定を行ってください。
- 排気は給気によって押し出されるので、給気へ読み替えて設定する
- CouplingではZone間の給排気のバランスを調整する
動作環境
以下の環境で動作を確認しています。
- Windows11 Pro(64bit, 23H2)
- TRNSYS18.05.0001(64bit)