TRNSYS/TRNBuild、Construction typeの作り方

TRNSYS/TRNBuildのConstruction typeの作成方法について解説します。Construction Typeは建物の外壁や屋根、床、間仕切りなどの部位を材料の物性値と厚みで定義します。

部材の構成は矩計図や仕様書などを参考に断熱材や蓄熱に係わる材料を入力します。

Layerの定義

材料の物性情報はMassive, Massless layerのどちらかで登録します。

材料定義設定値
Massive LayerConductivity(熱伝導率)
Capacity(比熱)
Density(密度)
Massless LayerResistance(熱抵抗)

厚みについてはConstruction typeで指定するので、ここでは合板や断熱材など厚みが複数考えられる材料もまとめて1つのLayerとして登録します。

Layerの物性値について詳しくは以前の解説記事を参照してください。

Construction Type

図はConstruction typeとLayerの関係です。Layer(材料物性値)と厚みを組み合わせて部材を定義します。

下の図はTRNBuildで外壁のConstruction Typeを定義しています。この例では最初の材料をMaterial Layerで定義しています。後述しますが、ここで定義されるLayerの並び順が建物のSurfae(壁や天井)に割り当てされる際に重要になってきます。

Front/Inside、Back

新しいConstruction typeを定義する際、最初のLayerから最後のLayerの並び順の手前側を「Front/Inside」、後ろ側を「Back」と呼びます。ここで「Front/Inside」は外壁の「内側」の表面を、「Back」は外壁の「外側」の表面を指します。

図は住宅のモデルの材料構成の例です。外壁の定義を見てみると、室内側、つまりFront/InsideからBack側(外側)へ順番に材料と厚みが定義されています。

この定義順は壁を構成する際に重要で、材料の並び順によって熱伝達の計算に影響します。以下のリンク先では材料の並び順を逆にした例を紹介しています。

日射吸収率、長波長放射率

Front/Inside、Backそれぞれに日射吸収率、長波長放射率も定義します。これらはそれぞれの面の材質や色に合わせて値を定義してください。

Window Type

壁があれば窓の定義もあります。Window typeについては以前に解説しているので、リンク先をご覧ください。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。

  • Windows11 Pro(64bit, 23H2)
  • TRNSYS18.05.0001(64bit)
Pocket

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です