TRNSYS/Type9のデータファイルの1行目は何月何日?

TRNSYSでデータファイル(テキストファイル)からデータを読み込む場合、Type9 Data Readerを使うのが一般的です。

ところで、Type9で読み込むデータの最初のデータは何月何日に相当するのでしょうか?TRNSYSではシミュレーションの期間を任意に設定できるので、そのあたりの兼ね合いはどうなっているのでしょうか?

TRNSYSのデフォルトに合わせて1/1 0:00 じゃないかという気がしますが、実は違います。使用するコンポーネントによって変わります。(正確に言うとProformaによります)

Modeパラメータ

Type9にはModeというパラメータが用意されていて、この設定によってテキストファイルから読み込んだ最初のデータの扱いが変わります。

Modeによって次の2種類のどちらかで扱われます。

  • 計算開始時刻(START)
  • 0hour(Time=0、1/1 0:00)

一見、意味としてはどちらも同じような気がしますが、シミュレーションが年間計算か特定期間かで大きく意味が異なってきます。

なお、Type9ではProformaの違いで次のようになっています。

ProformaSTART0h(Time=0)
Expert Mode / Free Format / Type9e
Expert Mode / Specified Format / Type9g
First Line is Simulation Start / Free Format / Type9a
First Line is Simulation Start / Specified Format / Type9b
Skip Lines to Start / Free Format / Type9c
Skip Lines to Start / Specified Format / Type9d
Type9 data reader のProforma

Type9のProformaの違いはリンク先にまとめてあります。こちらを参照してください。

計算期間との関係はちょっと分りにくいので図で考えてみます。

年間計算

年間計算で、それに合わせてデータファイルも1年分用意されてる場合。これは計算開始時刻=0hourなので、意味は同じになります。どちらのModeでも問題ありません。

年間計算

特定期間の計算

1年の内、特定の期間だけ計算したい場合。このケースでは、通常は目的の期期に合せてデータファイルも用意されます。図の例では、7/1から2か月を計算期間として、それに合わせて2ヶ月分のデータファイルが用意されていたとします。(こういうのは実測データを使う計算でありがちな状況ですよね。)

特定の期間を計算する

ここでModeが計算開始時刻(START)であれば計算期間とデータファイルの期間が同じで問題ありません。ところがModeが0hour(Time=0、1/1 0:00)だとすると計算期間とデータファイルとの間で齟齬が発生します。

この場合、Type9はデータファイルの最初のデータを0hとして扱い、計算期間に合わない部分は同じデータを繰り返します。最終的に計算期間(4344~5088h)に合うように調整を行います。下の図から分るように計算期間とデータファイルのズレが生じます。

Modeが0hour(Time=0、1/1 0:00)のType9はデータを繰り返して期間を調整する

この状況を避けるため、任意期間の計算ではType9aなど、データファイルの最初のデータ=STARTのProformaを使ってください。(計算期間とデータファイルの構成によるので、前述の表やTRNSYSのドキュメントを参考に適切なProformaを使用してください)

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。

  • Windows11 Pro(64bit, 22H2)
  • TRNSYS18.04.0001(64bit)
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