Proformaでコンポーネントのカスタマイズ
よく使用するコンポーネントの設定はProformaを使ってカスタマイズする事ができます。
Proformaとは?
そもそもProformaが何かというと、Simulation Studioの画面右側のツールバー(Direct Access Toolbar)に表示されるコンポーネントアイコンを定義しているファイルです。コンポーネントの1つ1つに対して用意されています。
このProformaではコンポーネントのアイコンの他、ParameterやInputのデフォルト値を定義する事ができます。1つのコンポーネントに対して、設定の異なる複数のProformaを用意することもできます。
例えば、Simulation Studioの画面を見るとType65 Online Plotterは何種類か用意されていますが、実はこれ少しずつ設定の異なるProformaです。
Proformaとコンポーネントの本体は図のような関係になっています。
Proformaはいくつでも作れるので、頻繁に使用するコンポーネントの設定は専用Proformaを作成しておくと効率的に作業できます。
以下、Type65を例にProformaをカスタマイズする例です。
Type65 Online Plotterのカスタマイズ
Type65は計算結果の出力に使われる定番のコンポーネントですが、デフォルトではタブ区切りのファイル形式になっています。
後でExcelで加工することを考えて、カンマ区切りのCSV形式で出力するのが効率的です。
リンク先の例では、配置したType65をExcelで扱いやすいように、2箇所の設定を変更しています。
- デリミタ(区切り文字)をカンマ”,”へ変更
- ファイル拡張子を”.csv”へ変更
これらの設定を変えるのはそれほど手間でもありませんが、毎回同じ設定をするのも面倒です。専用のProformaを用意して、カスタマイズしてみます。
専用Proformaを作成する
はじめにProformaを用意します。この例ではType65cの既存のProformaを元にカスタマイズを行います。
まず、ツールバーのType65のアイコンをダブルクリックしてProformaを開きます。
メニューから[File]-[Save As…]を選んで、既存のProformaと区別しやすい名前(この例ではType65c_CSV)で保存します。
出力ファイル形式の変更
Parameterを変更して出力ファイル形式をCSV形式へ変更します。
- 「Variables」タブを選択
- 「Variables(Parameters, Inputs, Outputs, Derivatives)」ボタンをクリック
- 「Parameters」タブをクリックして、
- 「Output file delimiter」の項目を選択
- 「Modify」ボタンをクリック
「Variable edition」ウィンドウが表示されるので、「Default value」へ2を入力します。
これで出力ファイルがCSV形式になります。
OK」ボタンを何度かクリックして、Proformaのウィンドウまで戻ります。
出力ファイルの拡張子をCSVへ変更
ファイル形式に合せて、ファイルの拡張子も変更します。
- 「File」タブを選択
- ファイル名のデフォルトを”***.csv”へ変更
これでProformaの変更は終了です。メニューから[File]-[Save]を選んでProformaを保存したら、Proformaウィンドウを閉じます。
ツールバーの更新とコンポーネントの確認
[Direct Access]-[Refresh tree]を選んで、ツールバーの表示を更新します。
図のように作成したProformaが表示されたら準備完了です。
Type65c_CSVを配置して、「Parameter」タブの「Output file delimiter」が2になっているのを確認して下さい。これでCSV形式で出力するType65の出来上がりです。配置しただけでCSV形式のファイルが出力できます。
まとめ
- 1つのコンポーネントに対して、複数のProformaを用意することができます。
- よく使うコンポーネントの設定はProformaのデフォルトを変更する事でカスタマイズが可能です。
動作環境
以下の環境で動作を確認しています。
- Windows11 Pro(64bit, 21H2)
- TRNSYS18.04.0000(64bit)
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