TRNSYS Debug mode
2022年3月3日
TRNSYSには計算処理に関する設定項目が用意されています。今回はその中の1つDebug modeについてご紹介します。
Debug modeはTRNSYSが計算中のデータのチェックをより細かく行います。通常は無効になっていますが原因不明のエラーが発生する場合や、新しいカスタムコンポーネントを開発する際に使用します。
Debug modeを有効化すると次のような処理が計算中に行われます。
- ゼロによる除算、無限大の値など数値のチェック
- コンポーネントからTRNSYSカーネルの書き込みチェック
- コンポーネントの実行時間の計測
ちょっと何を言っているのか分らない内容もありますが、計算中のデータを細かくチェックして安全性を高めます。
こういうと普段はいい加減にチェックしているようにも聞こえますが、通常は十分テストされたコンポーネントが使われているので細かなチェックは省略して計算速度を上げる設定になっています。
Debug modeの有効化
Simulation Studioで次のように設定してDebug modeを有効化します。
- Settings アイコンをクリック(もしくはメニューから[Assembly]-[Settings]を選択)してSettingsウィンドウを表示します。
- 次にAdvancede Settings タブをクリック
- Debug modes の項目を Trueへ変更
上述したようにDebug modeを有効にすると計算時間は多少かかるようになります。また、データチェックが働くため問題点を感知しやすくなります。
普段は無効でかまいませんが、なにか原因不明なエラーが発生したらお試し下さい。
Error Manager
見た目の変化としては、Debug modeを有効化するとError MangerにUnit stats, Types statsの2つのタブが追加されます。
これらのタブにはコンポーネントごとの実行時間が表示されます。
図はTypes statsタブを選んだ画面です。TRNSYSが計算に要した時間がType別に表示されています。あまりにも処理時間が長いコンポーネントがある場合はその部分で収束に問題があるのかも知れません。
動作環境
以下の環境で動作を確認しています。
- Windows11 Pro(64bit, 21H2)
- TRNSYS18.04.0000(64bit)