TRNSYS3Dでエラー箇所を探す
TRNSYS3D/SketchUpで作成した建物モデルがTRNBuildへのインポートでエラーになることがあります。
表示されるメッセージや対策はリンク先にまとめてあります。
エラーが発生したら、基本的にはTRNSYS3D/SketchUpに戻って修正します。ただ、モデルが複雑だったり、発生箇所が建物の奥まった位置だったりで見つけにくいことがあります。
今回はそういった場合にエラーの発生箇所を検索機能(Search Surfaces)を使って簡単に特定する方法をご紹介します。
エラーメッセージを確認してそのままインポート
エラーが発生したら、まずは内容を確認しておきます。
- Surf-No、Zone/Airnode、メッセージ(Description)を確認(メモしておきます)
- ✔ボタンをクリックして、ひとまずTRNBuildへインポートしてしまいます。
この例では、Zone, ROOM1、Surf-No. 6の壁がエラーの原因になっています。エラーが出ていてもインポートはできるので、そのまま続行します。
TRNBuildからIDFへエクスポート
TRNBuildへインポートできたら、再度IDF形式でエクポートします。元々のIDFファイルを上書きしないように、別の名前を指定して書き出すのがオススメです。
ここでインポートしてすぐにエクスポートするのも変な感じがすると思います。これはエラー発生箇所のSurf-No.をIDFファイルに反映させるのが目的です。
下の図はSurf-No.6に対応する箇所をTRNSYS3Dで確認した画像です。まったく異なる名前になっています。
これはTRNSYS3Dでは図形に機械的に名前を割り当てているためです。一方TRNBuildではインポートの際に新たにSurface番号を割り当てています。
エラーメッセージに表示されるSurf-No.はこの新しく割り当てられた番号になるわけです。
話を戻すと、ここでIDF形式にエクスポートすると、この新しく割り当てられた番号が書き出されます。
TRNSYS3D/SketchUpでエラー発生箇所を検索する
TRNBuildからエクスポートしたIDFファイルを再びTRNSYS3D/SketchUpで読み込みます。
次にSearch Surfacesを使って、エラーの発生箇所を検索します。この機能では、指定された条件で図形を検索、、対象図形のみ表示します。
- ツールバーの「Search Surfaces」アイコンをクリックする
- Classの項目で選択対象として「BuildingSurface:Detailed」を選択(意味は後述)
- Nameの項目にSurf-No.「6」を入力する
- 「Search Entire Model」ボタンをクリック
下の図は検索を実行した後の画面です。この例では画面左側の矢印の箇所の枠線がエラーの発生箇所です。(大きな開口部を持つ壁なんですが、枠部分の幅が狭すぎて線にしか見えません)
エラーの発生箇所が特定できたので、あとはこの壁を一旦削除して作り直すなど対策を行います。この例だと、枠の部分の幅をもう少し広く取って壁を作り直せば大丈夫でしょう。
Search Surfacesの検索条件
今回はClassとNameの項目を指定しましたが、さらに詳しい検索条件を指定することができます。
以下、設定項目の概要です。実際のTRNSYS3Dの画面で試してみて下さい。
Class
検索対象の図形の種類を指定します。
Class | 検索対象 |
BuildingSurface:Detailed | 外壁、内壁、屋根、床 |
FenestrationSurface:Detailed | 窓(開口部) |
Shading:Building:Detailed | 日射遮蔽物(ShadingGroupの図形) |
Name
Surfaceの名前
Type
壁、窓の詳細な条件指定。
Construction
壁のConstruction type、もしくは窓のWindow typeの指定。
Outside Boundary Condition
壁の境界条件
Shading Control Name
窓の日射遮蔽の条件
検索のヒント
Search Surfaceは図形が正しく作成されているかの確認にも使用できます。
下の図の例では、条件を指定してAdjacent Wall(間仕切り)の図形のみ表示しています。Surface Matchingの後など、間仕切りが正しく認識されているかの確認ができます。
動作環境
以下の環境で動作を確認しています。
- Windows11 Pro(64bit, 21H2)
- TRNSYS18.04.0000(64bit)
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