保温カーテンの効果が出ない(TRNSYS-USERSより)
TRNSYS-USERSに保温カーテンに関しての質問が流れていました。Windows typeのAdditional Thermal Resistanceを設定しても熱損失に影響しなかったようです。
[TRNSYS-users] Internal shading device problem in Type 56
温室で作物を保護するため保温や遮蔽の目的でカーテンを使うことがあります。その効果を検討するため保温カーテンの熱抵抗としてAdditional Thermal Resistanceを設定しているようです。でもなぜか計算結果に影響がでない。
Additional Thermal Resistance
Window Typeには、窓そのものの他にカーテンやスクリーンなどの遮蔽物の設定項目が用意されています。(図の赤枠の項目)
この中にAdditional Thermal Resistanceという項目があります。ここで窓の外気側、室内側それぞれの遮蔽装置(カーテンやスクリーンなど)としての熱抵抗を設定できます。
上の図ではInternal, external deviceともに0なので、何も設定されていない状態です。ところが、この項目に値を設定しても熱損失は変わらなかったようです。
カーテンは閉めないとね
Window typeで設定しているAdditional Thermal Resistanceは遮蔽装置の熱抵抗を設定します。
設定しているのはカーテンの熱抵抗です。カーテンが使われていない条件、つまり閉じていないと効果としては考慮されないんですよね。
カーテンの開閉状態に相当する設定がどこにあるかというと、それはZoneの設定です。
ZoneでWindow typeが割り当てられた窓のinternal shading factorを設定してはじめて計算に反映されます。
注:図ではinternal shading factor(遮蔽率)を0.4を指定していますが、この例では適当に決めています。カーテンの遮蔽率ってどれぐらいなんでしょうね?
それはともかく、internal shading factorに0以外の値が設定されると閉じた状態とみなされて Additional Thermal Resistance が考慮されます。
カーテンの物性値を設定したら、ちゃんと閉じる設定もしましょう。
shading factor | Additional Thermal Resistance |
0 = shading factor | 考慮されない |
shading factor > 0 | 考慮される |
動作環境
以下の環境で動作を確認しています。
- Windows10 Pro(64bit, 21H2)
- TRNSYS18.04.0000(64bit)