TRNFlowのはじめかた(1)
TRNSYSの多数室モデル(Type56)には、換気連成オプションとしてTRNFlowが用意されています。TRNFlowを使い始める際のポイントを解説します。
新規にTRNFlowのモデルを作成する
基本的な操作は温熱のモデルと同じですが、使用するコンポーネントはTRNFlowを使用します。
TRNFlowコンポーネントを配置
TRNFlowオプションをインストールすると、コンポーネントの一覧にTRNFlow(Type56-TRNFlow)が追加されます。
TRNFlowのモデルを新規に作成する場合は、このコンポーネントを配置してください。
TRNBuildの設定
TRNSYS3D/SketchUpなどでモデルを作成、TRNBuildへImportしたら、こちらもTRNFlowを有効化します。
Navigatorウィンドウで「TRNFlow」をクリックしてTRNFlowウィンドウを表示。Stateの項目で「on」をクリックしてTRNFlowを有効化します。
これでTRNBuildで換気回路の入力ができるようになります。
その後、ファイルを保存してTRNBuildを閉じたら、忘れずにSimulation Studioで「Update building variable list」を実行してください。
TRNFlowコンポーネントの設定
次にSimulation StudioでTRNFlowの設定を有効化して、風向、風速データを接続します。
Input、TRNFlowの値を設定
InputタブにTRNFLowの計算機能をOn/Offする項目が用意されています。この項目を1に設定します。
余談ですが、この項目を使ってTRNFlowを使用する時間帯や期間を切換えることができます。例えば、夏期や中間期など一定の期間だけTRNFlowを有効化して自然換気の検討をするといった使い方ができます。
風向、風速データの接続
TRNFlowの計算では、風向、風速データが必要です。気象データリーダーとType56-TRNFlowの接続に風向、風速を追加します。
2022/05/23 大気圧の設定を追記
大気圧の設定
それと、Inputには大気圧も用意されています。リンク先の記事を参考に大気圧を設定して下さい。
補足情報
2022/04/18追記
風向風速については観測地点、建設地それぞれの条件設定も行って下さい。「TRNFlowのはじめかた(2)」へつづく。
これでTRNFlowの主な設定は完了です。あとは、TRNBuildを使って換気回路の設定を行います。
既存モデルをTRNFlowに変更する
すでに作成ずみの多数室モデルに換気回路を追加する場合は、コンポーネントを入れ替えます。
Type56を選択して、右クリックして表示されるメニューから「Replace」を選択します。
ここで、”C:\TRNSYS18\Studio\Proformas\Loads and Structures\Multi-Zone Building with Air Flow (TRNFLow)\Type56-TRNFlow.tmf“を選択して、コンポーネントを差し替えます。
コンポーネントのアイコンがType56-TRNFlowに変わっていれば変更完了です
あとは新規の場合と同様です。TRNFlowの有効化、風向、風速データの接続を行って下さい。
動作環境
以下の環境で動作を確認しています。
- Windows10 Pro(64bit, 21H1)
- TRNSYS18.02.0002(64bit)
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