TRNFlowと吹き抜け空間

吹き抜け空間のモデルはAirnodeで構成することが多いと思います。これにTRNFlowで換気回路を設定する場合、少々工夫が要るようです。吹き抜け空間をAirnodeで構成してTRNFlowを使われる場合は、このドキュメントを参考に設定を行って下さい。

建物のモデル

図のような簡単なモデルを用意して、換気回路の設定を行ってみます。

吹き抜けを上下2つのAirnodeに分けた、ドラフトによる自然換気を検討するようなモデルにありあそうな構成です。

換気回路の構成は下の図のように設定します。吹き抜けのある空間で、1階に掃出し窓、2階にも窓があって、吹き抜けを通じて換気回路が構成されています。

この換気回路に合せてTRNFlowでAirlinkを定義して保存すると。。。

図のような画面が表示されます。

thermal airnode – no adjacent wall/window or (regime) coupling of both airnodes are defined

thermal airnode – no adjacent wall/window or (regime) coupling of both airnodes are defined

thermal airnode - no adjacent wall/window or (regime) coupling of both airnodes are defined
和訳:thermal airnode - 隣接する壁や窓がないか、または両方のairnode(regime) にcoupling が定義されていません。

エラーの原因

このモデルでは吹き抜け部分はLarge Opening(開口)を挟んで換気回路を構成しています。ところが、Airnode間にはLarge Openingを載せるための壁が存在しません。

それで上記のようなエラーが発生します。

対策

エラーメッセージをよく読むと「両方のAirnode(regime)にcouplingが…」という記載があります。

ここで言うcouplingとは、熱の計算でAirnode間に条件としての換気量を指定する設定項目です。TRNFlowの換気回路を設定するのに、熱の方の換気条件を設定するのも矛盾している感じがしますが。。。

TRNFlowでは、このcouplingによってAirnodeの接続関係を判断しています。変な感じがしますが、TRNFlowの換気計算が有効になるとこのcouplingで設定された換気量は無視されるので、実質は問題ありません。

前置きがなくなりましたが、次のようにcouplingの設定を行います。

  1. 1階のairnode, F1を選択する
  2. 「Coupling」のアイコンをクリック
  3. 「active」のチェックボックスをチェック
  4. 「adjac. to airnode」に2階のairnode, F2を選択する

次は逆に、2階のairnode、F2を選択して、1階のairndoe, F1へ同様の設定を行います。

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 20H2)
TRNSYS18.03.0002(64bit)

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