TRNSYSの精度検証
TRNSYSの精度検証について調べてみました。
TRNSYS公式サイト
まずは、ウィンスコンシン大学のTRNSYS公式サイトより。FAQ(よくあるご質問)に欧州規格、ASHRAE Standard 140についてまとめられています。
Q: What standards does TRNSYS comply to?
A: TRNSYS has become reference software throughout the world. It is one of the listed simulation programs in the recent European Standards on solar thermal systems (ENV-12977-2). The level of detail of TRNSYS’ building model, known as “Type 56”, is compliant with the requirements of ANSI/ASHRAE Standard 140-2001. The level of detail of Type 56 also meets the general technical requirements of the European Directive on the Energy Performance of Buildings, which makes TRNSYS a potential candidate for com! pliance with the directive’s implementations in various EU countries. TRNSYS was not only used for the IEA Task34/43, to increase the accuracy of the ground-coupled heat transfer, but it was also the only whole building energy simulation program that was deemed as a BESTEST reference standard. TRNSYS has also been used for building simulation for numerous LEED projects.
ウィンスコンシン大学のTRNSYS公式サイトより
以下、和訳です。
Q:TRNSYSはどのような規格に準拠していますか?
A: TRNSYSは世界中のリファレンスソフトウェアとなっています。最近の太陽熱システムに関する欧州規格(ENV-12977-2)に掲載されているシミュレーションプログラムの一つです。TRNSYSの建物モデルの詳細度は、”Type56 “として知られており、ANSI/ASHRAE Standard 140-2001の要求事項に準拠しています。Type56の詳細レベルは、建物のエネルギー性能に関する欧州指令の一般的な技術要件にも適合しており、TRNSYSは、EU諸国で実施されている同指令への適合の可能性を秘めています。TRNSYSは、IEAのタスク34/43において、地中結合熱伝達の精度を向上させるために使用されただけでなく、建物全体のエネルギーシミュレーションプログラムの中で唯一、BESTESTの参照基準とみなされたプログラムでもあります。また、数々のLEEDプロジェクトのビルシミュレーションにも使用されています。
European Standards on solar thermal systems (ENV-12977-2)
名称から太陽熱利用システムの規格という事がうかがえます。出版物らしく、一般公開はされていないようです。書籍の販売サイトなどの説明を見る限り、太陽熱を利用システムの試験方法などがまとめれているようです。
ASHRAE Standard 140
建物(多数室モデル)のシミュレーションツールの比較試験の仕様と試験結果がまとめられています。いわゆるBESTESTと呼ばれるベンチマークで、1995年にシミュレーションツール相互の検証のために実施されています。TRNSYSを含め複数のツールの結果がまとめられています。
最近知ったんですが、更新版がリリースされています。なんと実に25年ぶりの更新です。この更新では最新版TRNSYS18(18.01)を使った計算結果が掲載されています。
結果はこちらで公開されています。1995年の結果と比べるてツールによる違いが少なくっているのが分ります。この25年間にどのツールも精度が上がっているって事でしょうね。
国土交通省特別認定(特認)
なお、TRNSYSは国内では国土交通省の特別認定(通称、「特認」)を取得しています。これもいくつかの計算条件が用意されていて、精度の検証を行います。国内の主なシミュレーションツールが取得している認定です。
関連情報があったら追記します。以上です。