TRNSYSで年末をまたぐ計算と気象データ
2019年9月27日
2019年9月28日
年間暖冷房負荷計算などで助走期間を取ると年末をまたぐ計算になることがあります。例えば、助走期間を12月から開始、翌年1月~12月の計算を行う場合、設定としては図のようになります。(日付を見ると1ヶ月分の計算のように見えますが、13ヶ月分の計算の設定です。)
気象データリーダー
さて、計算に使う気象データは、通常は1/1から12/31の1年分のデータになっています。このケースでは年末から年始に掛けて連続した計算期間を取るため、気象データリーダーはデータをリワインド(巻き戻し)して処理を行います。
これ、上手く処理できている時はいいのですが、経験上かなりの確率でエラーになります。どうも補間やタイムステップの処理が絡むため複雑な処理になっているようです。Range check errorとか、TRNSYSとしては割と物騒なエラーが出ます。でも、対策はあるので大丈夫です。
エラー対策
エラーはリワインドのタイミングで発生するので、対策としてリワインドしないように工夫します。ちょっと何をいっているか分からないと思いますが、実は気象データリーダーは仕様上、1年分以上のデータも扱えます。これを利用して、気象データを2年分に加工します。
気象データのファイルをメモ帳などのエディタで開くと、<data>という行があります。これ以降の数値が気温や湿度などの気象データの本体です。この部分をすべて選択して、コピペして2年分に加工して保存します。
これで年末のリワインドが発生しなくなります。もし、年末をまたぐ計算でエラーが発生したら、このように対処すればエラーを回避できます。
動作環境
以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1809)
TRNSYS18.01.0001