Direct solar fraction of the floor ってなに?
急に聞かれて思い出せなかったのでメモ。
TRNSYS18のTRNBuildでは、IDFファイルをインポートする際の設定オプションが増えています。(図の赤枠の部分)
この赤枠部分の記載を訳すと。。。
Static distribution factor of direct solar radiation(直達日射の静的な分配係数)
Direct solar fraction of the floor:(床面への直達日射の分配係数)
The remaining direct radiation is distributed area-weighted to the walls of a zone.(その他の直達日射は面積按分で壁に分配されます)
ちょっとわかりにくい記載ですが、TRNBuildでは窓面から入る直達日射をどう分配するかGEOSURFというパラメーターで扱います。(Standard modeの場合)
先ほどの画面で、そのままIDFをインポートすると、床面のGEOSURFに0.8が割り当てられます。これはStandard modeの計算で、開口部から入る直達日射の8割が床面にあたるものとして扱われます。
残りの2割はどこへ行ってしまうかというと、壁の面に面積按分で割り当てて計算されます。(後述しますが天井は除く)
簡易モデルで試す
図のような簡単なモデルを作って、実際に試してみます。
これをTRNBuildへインポートすると、床面(FLOOR)のGEOSURFに0.8が割り当てられていることが分かります。(クリックすると拡大できます)
他の壁は残り2割が按分されます。下図は西側の壁ですが、GEOSURFに0.05が割り当てられています。(0.2が東西南北の4面に割り振られます)
ここで注意点としては、屋根面にはGEOSURFは0が割り当てられます。ドキュメントには明記されていませんが、モデリングした際の面の属性を見ているようです。(下図の赤枠の項目)
面の属性とGEOSURFの値の組み合わせは以下の通りです。
Type | GEOSURFの値 | 備考 |
Floor | 指定値(例 0.8) | 床面が複数あれば面積按分 |
Wall | 指定値以外を面積按分 | |
Ceiling | 0固定 | |
Roof | 0固定 |
ちなみに以前のバージョンではGEOSURFはすべて既定で0が設定されていました。(同じZone内ですべての面のGEOSURFが0だと、自動的に面積按分で計算されます。)
計算上、それもどうかなという気がしていたんですが、TRNSYS18では実状に近い割り当てに変更したようです。
動作環境
以下の環境で動作を確認しています。
Windows10 Pro(64bit, 1803)
TRNSYS18.01.0001(64bit)