ZoneとAirnode
ZoneとAirnode
TRNSYSのTRNBuild/Type56で建物のモデルを作成する際に、部屋など一定の空間を扱うのがZoneとAirnodeです。
ZoneとAirnodeは入れ子の関係になっていて、図のようにZoneへは複数のAirnodeを含むことができます。
TRNSYS3Dで作成したZoneは、下図のようなAirnodeを一つ含むZoneとして扱われます。このため普段はZone=Airnodeとして考えても基本的に問題ありません。
Airnodeの使い方
さて、ZoneとAirnodeの使い分けですが、ドキュメントにはAirnodeの例としてアトリウムが紹介されています。この例ではアトリウムの低層、中層、高層に分けてAirnodeを構成しています。
(TRNSYS17ドキュメント, TRNSYS 3D Building Tutorial より抜粋) 図にあるように放射(輻射)についてはZoneで、対流についてはAirnode単位で扱われます。
このように空間としては一つでも、場所によって条件が異なるようなモデルで使用します。
なお、設定項目はZone,Airnodeで適用される項目が異なります。
Zone/Airnode | 設定項目 |
Zone | Radiation mode |
Airnode | Schedule Wall/Window その他、 |
Radiation modeを除いて、ほとんどはAirnodeで設定できます。
利用例
Airnodeは部屋としては一つでも、その中で機能が分かれる空間がある場合などに使えそうです。例えば住宅のLDKのように台所、ダイニング、リビングの機能が混在する空間では、それぞれに条件を変えたい場合があります。(例、在室人数や発生熱の条件)
機能ごとにAirnodeに分けてモデルを作成すると、それぞれに在室人数や発生熱の条件を分けて設定する事ができます。
注意点としては、Airnode間の換気は既定では設定されされません。Airnode間で換気が想定される場合には、カップリング(Coupling )などを使って、相互の換気条件を別途考慮する必要があります。
普段はあまり意識することのないAirnodeですが、計算の目的や条件によって利用する事ができます。
2件のピンバック
吹き抜けの部屋を作る – 建築環境工学系日記
凹型Zoneのモデリング | 建築環境工学系日記