TRNSYS-USERS拾い読み(窓のない開口部)
窓のない開口部って意味不明なタイトルですが。。。
TRNSYS-USERSに建物のモデリングに関する質問が流れていました。
[TRNSYS-users] Modelling- Building
I am trying to model a Reed House the problem is that the house has no real windows (with frames and glazing) it has only openings for natural lighting and ventilation (see attached photos). The Building is basically not 100% closed.
開口に窓(枠もガラス)がなくて、ただ採光と換気のための開口があるだけ。建物は基本的に閉じていない。
それって、建物の外だよね?と思ったのですが、添付されていた写真を見て納得。「Reed House」って「葦で作られた家」でした。(LEEDの誤植かと思った)
”reed house”で画像検索するとたくさん出てきます。
写真で見た感じ、構造的にはパイプで組んだビニールハウスに近い。乾燥した葦を束ねた∩字のフレームを並べてあります。中東の古典的な建物らしく、ドアも窓もなく風通しが良さそうです。
確かに窓枠もガラスもない。そして閉じていない。。。
こういう場合にデータとして窓の扱いと換気の設定はどうなるんでしょうか?というのが質問。
これに対する返信はこちらなんですが、
http://lists.onebuilding.org/pipermail/trnsys-users-onebuilding.org/2015-June/027294.html
窓については“Virtual(open or nonexistent) Window”(TRNBuildのライブラリに入ってます)を使えばOK。この窓は熱的に殆ど影響のない設定になっていますので、窓のない開口と同じような扱いを可能にします。
換気についてはTRNFlow、COMIS、もしくはCONTAMを使って換気計算と連成して解いてみては、というアドバイスでした。
なかなかこういうモデルを作る機会はありませんが、“Virtual(open or nonexistent) Window”は窓がないケースや、熱的にほとんど無視しても構わない開口部に利用できる「窓」なので、憶えておくと何かの機会に役立ちそうです。
2024/5/2 追記(TRNSYS18.05で確認)
既存のWindow typeにGlazingを追加する場合は、ライブラリから「No_glazing = open」を選択してください。
2021/11/19 追記(TRNSYS18.04で確認)
Program Libraryとして”C:\TRNSYS18\Building\Lib\Tess\Prgwin.lib”を選択すると、「Virtual(open or nonexistent) Window」というWindow typeが選択できるようになります。
WinID-Poolの項目でガラスのパラメータを確認すると、g-value(日射熱取得率)、T-sol(可視光透過率)、Rf-sol(日射反射率)、T-vis(可視光透過率)の値が空気のような値になっていることが分ります。
動作環境
以下の環境で動作を確認しています。
- Windows11 Pro(64bit, 23H2)
- TRNSYS18.05.0001(64bit)