建物自身の日射遮蔽効果を検討する
2013年1月22日
2020年10月5日
今回は久しぶりにTRNSYS3Dネタです。
ドキュメントを読んでいると。。。
Shading Device(庇とかブラインドなど)の項目を読んでいて、ふと、ある記述が気になりました。
見難いので拡大。
さらに拡大。
… self-shading of the building cab be applied.
建物自身の遮蔽効果も適用される。。。Σ(゚д゚;) ヌオォ!?
庇だけじゃなくて???
TRNSYS3DのShading Group
TRNSYS17からTRNSYS3Dで遮蔽物(Shading Group)を作ると、日射遮蔽物として扱われるようになりました。これを使って庇や近隣の建物の影響(開口部の直達日射の影響)が考慮できるようになっています。
それって、対象はShading Groupで作った図形限定だと思っていたんですが、建物自身も対象になるってこと?ホントに?
モデルを作って試してみる
こういう時は試してみるに限る。早速モデルを作ってみました。
いかにも建物形状で日射の影響を受けそうなモデル
かなりシンプルなモデルですが、Simulation Studioへインポートして次の2パターンで計算してみました。
- 遮蔽なし
デフォルトの状態。直達日射の遮蔽計算に使用するShading matrix file(*.shm)がない状態
- 遮蔽あり
Shading Matrix file(*.shm)がある状態
結果はというと。。。
で、計算してZoneに入る日射量を比較してみたのがこのグラフ。
明らかに結果違ってます。遮蔽あり(*.shmがある状態)で計算した方の日射量が少なくなっています。
Shading Groupのみ遮蔽物として扱われていると思い込んでいたんですが、建物自身もきっちり遮蔽の対象として考慮されているようです。
いまごろ気づいた。。。
しかし、これで凹凸のある建物でも日射の影響をちゃんと考慮できますね。
隣接建物(開口部がCWである開校面積率が高いオフィスビルなど)を想定する場合、shading groupと通常のモデルどちらで作成するのが良いのでしょうか。というのも、shading groupの場合は窓を作れなかった気がしたので(作れるようでしたらすみません…)、通常のモデルでも遮蔽効果が十分なら通常のモデルで隣接建物を作った方が隣接建物の窓からの日射も反映されて、より実際の状況に近いのかなと思い、質問させていただきました。
どちらも遮蔽物の扱いなので結果は同じになるはずです。
詳しくはドキュメントを参照されるか、サポートの窓口へご連絡ください。