TRNSYSのRadiation modeとGeometry mode
TRNSYS17以降、多数室モデルの計算ではRadiation mode, Geometry modeが追加され、より詳細な計算ができます。
Radiation, Geometry mode
TRNBuildのZone設定画面の右上の「Radiation modes」、「Geometry mode」アイコンで、Zoneごとに設定できます。
Radiation modeの設定画面
Beam radiation(直達日射)、Diffuse radiation(天空日射)、Longwave radiation exchange within a zone(長波長放射)の計算オプションを設定します。
Geometry modeの設定画面
形状データの取扱いに関するオプションを設定します。
manual
形状データなしのモデル。TRNBuildで直接計算モデルを入力します。放射の計算は適用されません。
mixed
manualと3D dataの中間のモデル。3Dモデルの既存形状は変更できませんが、追加は可能です。放射の計算は適用されません。
3D data
3D形状データを含むモデル。SketchUp/TRNSYS3D Pluginで作成したモデルをインポートすると、このモードになります。形状データの修正変更はSketchUpで、条件設定はTRNBuildで行います。詳細な放射の計算が適用されます。
Radiation mode と Geometry mode
この2つのモードそれぞれの設定の組み合わせで使用できる計算内容が変わります。
例えば、計算上、建物のモデルにTRNBuildで壁を追加したいケースがあったとします。この場合、Geometry modeはManual, Mixedのいずれかになります。するとBeam RadiationはStandard modelに必然的になります。そうなるとTRNSYS3Dで日射遮蔽物を作成していたとしても計算では利用できなくなってしまいます。(他の方法で日射の影響を考慮するなど対策が必要になります)
このように、どのモードだと、どのような影響がでるのか事前に検討したい場合、ユーザーインターフェースで2つの設定を行ったり来たりするのは少々面倒です。(上の2つの画面で、組み合わせを検討するのって大変ですよね)
ということで、対応表を作ってみました。
2013/1/18追記
選んだModeによってBuiファイル(.b17、.b18)以外のファイルも参照されます。これらのファイルはTRNBuildが自動的に作成します。普段はあまり気にする必要はありませんが、少々対応関係が解りにくいので表に追加してみました。
表にすると、やっぱり解りやすいですね。
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