TRNSYSで使えるワイルドカード
タイトルにワイルドカードって書いて、ふと思ったんですが、今時コマンドラインを使うケースも少ないので「ワイルドカードって何?」ってな感じなんじゃ無いだろうか?
カードって言ったらなにを連想します?クレジットカード?トレーディングカード?
情報処理用語でワイルドカードと言ったら特殊文字のことなんですが、通じるかな?
詳しくはこちら→Wikipedia:ワイルドカード
話が横道にそれましたが、TRNSYSで使えるワイルドカードのお話です。
TRNSYSの出力系のコンポーネントの多くでは出力先のファイル名にワイルドカードが使えるようになっています。
以下、Type65(Online Plotter)の例ですが、出力先として既定では”***.plt“が指定されています。この”***“は、計算実行時にDckファイルと同じ名前に置き換えられて出力されます。
計算を実行した後にフォルダの中身を確認すると”***”の部分がDckファイル名、ここではCase_A.dckを実行しているので、”Case_A“に置き換えられて出力されているのがわかります。
この指定が便利なのはDckファイル名が変われば、出力されるファイル名も自動的に変わる点です。シミュレーションをやっていると、あれこれパラメータを変更して計算結果を比較したいケースってありますよね?そういう時に出力先のファイルが同じ名前で上書きされてしまっては面倒です。
先ほどのCase_Aを別名保存でCase_Bという名前で保存して実行してみましょう。
あれ?同じ名前で上書きされている。
これ、結構陥りやすい罠で、”***”の部分が置き換えられるのは“DCKファイル”の名前です。ついついSimulation Studioで*.tpfを別名保存したら反映されるような気になってしまいますが、違います。
じゃ、Dckファイルの名前はどこで決まるかといえばControl Cardsの中で設定されています。
この部分を”Case_B.dck”に書き換えてもいいのですが、ここもワイルドカードで”***.dck“のように指定することが可能です。
こうしておくと、*.tpfの名前に合わせてDckファイルの名前も変更してくれます。この例ではCase_B.tpfという名前なので、Dckファイルの名前もそれに合わせてCase_B.dckという名前になります。でもって玉突き式に出力のファイル名もそれに合わせてCase_B.pltになります。
再度実行してみると、今度はちゃんと思惑通り、”Case_B.plt”という名前でファイルが出力されました。
まとめると、以下の2箇所でワイルドカードを指定しておけば*.tpfの名前に合わせて出力するファイル名も自動的に変更されます。
- Control Cards/Deck file name
- 出力用コンポーネント(Type65,Type25など)
計算内容を複数検討したい場合に憶えておくと便利な機能です。
おまけ
出力先のファイル名をワイルドカードを使って、以下のように指定することもできます。
例)***_Tair.plt
こうすると、出力ファイルが複数ある場合も区別しやすくなります。