TRNSYSのEquationの便利な使い方

2022/04/27 内容をTRNSYS18に合せて更新、サンプルプロジェクトを追加

ちょっとした計算に便利なEquationですが、変数を扱うこともできます。この記事では、例としてType65 Online Plotterの表示を1年分から1週間単位へ変更します。

Type65で週単位プロット

Type65はデフォルトではすべての結果をまとめて一画面にプロットします。

Type65 Online Plotter

これを週単位の表示に変更します。設定はType65のParameter / Number of plots per simulationで指定します。

Type65 / Parameter / Number of plots per simulation

変数の定義

Equationを用意して、計算時間全体を168h(1週間)で割ってプロット数を計算します。

  1. Equationを追加
  2. 次の式を入力

nPlots = (STOP-START)/168.

※:START,STOPはTRNSYSが標準で用意している計算の開始、終了時刻の定数です。

Equation

ここで設定したnPlotsは変数として扱うことができるので、他のコンポーネントで参照できます。 

週単位プロットの指定

Type65のParameterタブで”Number of plots per simulation”に変数nPlotsを指定します。

  1. Unitの項目でvariable name を選択
  2. Equationで定義したnPlotsを入力
Type65 / Number of plots per simulation

この状態で、再度シミュレーションを実行すると、今度はグラフが一週間単位で表示されます。

TRNSYS Type65 Weekly plot

画面左下、右下の矢印アイコン(図の赤丸のアイコン)をクリックして表示範囲を週単位で前後に切換えることができます。

Equationを使わずに、プロット数を直接指定しても構いません。でも、それだとシミュレーション時間が変わるようなケースでは、その都度プロット数も指定し直しになります。

計算時間が変わっても式で設定しておけば変更なしで対応できます。

Settings

ところで、Simulation Studioにどのコンポーネントにも接続されていないEquationがあると、なにか気持ち悪くないですか?そんな時はSettings のAdvanced SettingsタブにEquationの定義を直接記述することもできます。

Equationを定義する

Settingsに設定をまとめられるので個人的にはこちらの方がオススメです。

その他の使用例

次の例ではタイムステップを変数(DELT)として設定しています。この値を参照するのはSettingsだけなので、Equationとして定義するよりも関連性が分かりやすくなります。

タイムステップを5分に設定する

Advanced Settingsタブで次のように設定します。

EQUATIONS 2
nPlots = (STOP-START)/168.
DELT=5/60

次に、Basic SettingsタブでTime stepを設定します。

  1. ドロップダウンリストからvariable name を選択
  2. DELTを入力

このようにEquationを使ってコンポーネントのParameterやSettingsを設定する事ができます。
条件を変えてシミュレーションを繰り返すケースでは、Equationに変数や式としてParameterをまとめることで、効率良く作業を進めることができます。

サンプルプロジェクト

ダウンロードはこちらから↓

動作環境

以下の環境で動作を確認しています。

  • Windows11 Pro(64bit, 21H2)
  • TRNSYS18.04.0000(64bit)
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