TRNEditで条件を変えてTRNSYSを繰り返し実行する
前回のエントリーでPowerShellを使ってDckファイルを書き換えてTRNSYSを実行する話を書きました。
実は前回の例題の内容だと標準のツールでも同じことができます。というか、やり方としてはこちらの方が推奨です。前回はスクリプトを使って、他にもいろいろやりたかったので試験的にやってみました。
さて、標準ツールで行うやり方について詳しくはドキュメントの「6.1.2. Parametric runs」に説明があるので、そちらを参照してもらうとして、簡単に説明します。
TRNEditというツールを使用して作業を行います。TRNEditを起動して、まずはDckファイルを開きます。
前回PowerShellで書き換えたのと同じ”TURN=0″を変更対象にしたいので、以下のように書換えます。
オリジナル
* START, STOP and STEP
CONSTANTS 3
START=0
STOP=8760
STEP=1
--- 省略 ---
* EQUATIONS "Turn"
*
EQUATIONS 5
TURN = 0
AA_N = 180 + TURN
AA_S = TURN
AA_E = 270 + TURN
AA_W = 90 + TURN
変更後
* START, STOP and STEP
CONSTANTS 4 ←1項目追加するので3から4に書き換える
START=0
STOP=8760
STEP=1
TURN = 0 ← EQUATIONSからコピーして追加する
--- 省略 ---
* EQUATIONS "Turn"
*
EQUATIONS 4 ← TURN=0のコメントアウトで1項目減るので5から4に書き換える
!TURN = 0 ← CONSTANTSへ移動したので行頭に"!"を追加してコメントアウト
AA_N = 180 + TURN
AA_S = TURN
AA_E = 270 + TURN
AA_W = 90 + TURN
変更箇所を比較ツールで表示した画面。
左側がオリジナル、右側が変更後です。

Parametric Tableを用意する
メニューから[Parametrics]-[New Table]を選択すると、以下のようなダイアログが表示されるので、対象にするパラメータ、つまり”TURN”を選択して”Parameters in Table”へ追加します。

OKボタンを押すと、以下のような画面になります。

ここで、直接パラメータを入力することも出来ますが、一定のパターンの値を入力する場合は[Parametrics]-[Alter Table]コマンドで簡単に設定することができます。
コマンドを選んで表示されるダイアログで以下のように入力します。
First Value : 0
Increment : 10

これで一気にテーブルにパラメータが設定されます。

最後に[TRNSYS]-[Run Table]を選ぶと、テーブルの値に基づいてTRNSYSの実行が繰り返されます。

この例では計算が10回実行され、計算結果も同様に書き出されてきます。後は計算結果をExcelなどで処理すればOKです。
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TRNSYSに含まれるアプリケーションの構成 | 建築環境工学系日記