遮熱フィルムの効果ってどうなんだろ?
2011/6/9
シミュレーション結果をLEAD Projectのサイトに掲載していただきました。
http://web.me.com/koji_takemasa/MobileMe/Studies.html
内容についての問い合わせはクアトロ社まで連絡ください。ちなみに計算にはOffGrid(TRNSYS)を使ってます。
この夏に向けて、省エネ対策で遮熱フィルムを貼るって話が聞こえてきます。
日射の影響って大きいから、窓に遮熱フィルムを貼ればそれなりに効果があることだろうとは想像できます。熱の流れとしては、日射->窓から侵入->室温上昇だから。
夏:遮熱フィルムで日射を抑制->室温の上昇が抑えられる->冷房の使用頻度がへる->つまり省エネ
これはわかる。一方じゃ冬場も同じ仕組みが働くから、
冬:遮熱フィルムで日射を抑制->室温が上がらない->そのぶん暖房を使う->つまり増エネ
ってことで、年間通すと夏冬で相殺されるんじゃないか?
いやいや冬は太陽の位置が低いから日射が入りやすくなって意外と影響が少ないんじゃないか?
いろいろ疑問に思ってたらすでに社内にシミュレーションしたデータがありました。(ちょっとだけ宣伝すると、そういう計算サービスもやってるんですよ、うちの会社)
思った通り、夏冬で効果が逆転するので、冷房は減るけど、暖房は増えるという傾向になります。(※)
で、年間を通してみたらどうかというと、冷房の負荷が多い地域だとほぼ同じか、もしくは省エネになります。南に行くほど暖房の依存度が減るので、相対的に遮熱の効果の占める割合が大きくなるようです。逆にいうと、寒冷地だと逆になるので、貼っても年間じゃそれほど効果ないかもしれないですね。
でも、夏場のピークカットという意味じゃ効果あるのかな?
自宅じゃ遮熱フィルムは大げさなので、この夏は簾の準備をしようと思います。
※注:
建物の構造や向き、意匠とか、いろいろな要素が絡むので、あくまで一定の条件で計算した例です。